
業績の悪化や借入金の返済負担に悩む企業が倒産を避けるためには、資金繰りが行き詰まる前に事業の立て直しを図ることが重要です。
事業再生の一つである私的整理は、原則として手続きの対象となる債権者全員から同意を得ることが求められ、必ずしもハードルが低い手続きではありません。また、裁判所の関与を受ける法的整理は、官報への掲載(公告)により利用が公表されるため、企業イメージなどに影響を及ぼす可能性があります。
従来の手続きが抱える課題に対応するため、2026年12月に施行される予定なのが「早期事業再生法」です。一定の要件を満たせば、金融機関などの多数決と裁判所の認可によって、反対する金融機関がいても借入金などの減額や返済の猶予などを目指せます。
このコラムでは、早期事業再生法の概要や従来の手続きとの違い、利用できる事業者、対象となる債務、手続きの流れ、利用前に準備しておきたいことを弁護士が詳しく解説。事業再生を検討中の方や、今後の業績不振や返済の負担に不安がある方は、ぜひ最後までお読みください。
早期事業再生法は、企業が経営危機に陥ってから対応するのではなく、資金繰りや借入金の返済が難しくなるおそれがある段階で、事業を立て直すための新たな制度を創設する法律です。
まずは、制度が創設された背景や制度の仕組みについて解説します。
経済産業省の資料によると、日本企業の債務残高は、新型コロナウイルス感染症の拡大後、約120兆円も増加しています。また、原材料価格の高騰や人手不足などを背景に、2024年の企業倒産件数は11年ぶりに1万件を超えました。
今後も倒産件数の増加が懸念されるなか、経済的に窮境に陥るおそれがある事業者に対し、早期の事業再生を後押しする制度創設を目的として、2025年6月に「早期事業再生法」が成立しました。正式名称は「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律」で、2026年12月11日に施行が予定されています。
早期事業再生法にもとづき、事業再生の新たな手続きとして創設される制度が「早期事業再生手続」です。
早期事業再生手続は、手続きの対象となる金融機関などの債権者(以下、「対象債権者」と呼びます)による多数決と裁判所の認可を経て、借入金の減額や返済の猶予といった債務の調整を目指します。また、手続きの申請時や過程において、経済産業大臣の指定を受けた第三者機関である「指定確認調査機関」の確認や調査を受けることになります。
多数決の要件を満たして裁判所の認可を受ければ、反対する対象債権者からの借入金も減額などの対象となります。ただし、すべての借入金を自由に減額できる制度ではなく、対象となる債務の範囲が法律で定められています。
従来の事業再生の手続きとして、「私的整理」や「法的整理」があります。状況に応じて適切な手続きを選択するためにも、「早期事業再生手続」との違いを理解しておくことが重要です。
私的整理とは、裁判所を通さず、金融機関などの債権者と協議しながら借入金の減額や返済の猶予などを目指す方法です。事業再生ADRなど、裁判所ではない第三者機関による仲介を通じて話し合いを進める手法もあります。
私的整理は、一般的に非公開で進められるため、取引先や従業員への影響を抑えながら再建を進めやすい点が特徴です。また、協議の対象とする債権者を金融機関に絞って取引先は外すなど、手続きの進め方を柔軟に検討できます。
一方、原則として手続きの対象となる債権者全員の同意が必要なため、一部の債権者の反対によって合意形成が難しくなる場合があります。
これに対して、早期事業再生手続では、所定の多数決と裁判所の認可によって、反対する対象債権者からの借入金などにも減額や返済猶予などが適用されます。全員の同意を得られず、私的整理では合意が難しい場合にも、再建を目指せるかもしれません。
法的整理は、私的整理とは異なり、裁判所の関与を受けながら進める手続きで、事業の立て直しを目指す「再生型」と、財産を処分して債権者への支払いを行い、事業を終了させる「清算型」に大きく分けられます。
また、再生型と清算型にもそれぞれ複数の種類があり、中小企業に多く利用される再生型の手続きが「民事再生」です。
民事再生は、裁判所の関与のもとで再生計画を策定し、事業の再建を目指す法的整理の一つです。
私的整理とは異なり、債権者全員の同意がなくても手続きを進められる場合があるものの、官報への掲載(公告)を通じて利用が公表されるため、企業イメージや今後の事業に影響が及ぶ可能性があります。
この点、早期事業再生手続は裁判所の関与を受ける点が民事再生などの法的整理と共通していますが、手続き開始時の公告がありません。一方、民事再生では金融機関からの借入金だけでなく、取引先への買掛金なども含め、幅広い債務が手続きの対象となるものの、早期事業再生手続は、金融機関からの借入金など一定の債務に限定されます。
早期事業再生手続について、私的整理や法的整理(民事再生)との違いをそれぞれ説明しましたが、まとめると次のように整理されます。
| 比較項目 | 早期事業再生手続 | 私的整理 | 法的整理 (民事再生) |
|---|---|---|---|
| 手続きの対象となる主な債務 | 金融機関からの借入金など、対象となる債務が定められている | 取引先は除外するなど、対象にする債務を選択できる | 借入金だけでなく、取引先への買掛金なども対象となる |
| 返済条件などの決め方(原則) | 債権者の多数決と裁判所の認可 | 手続きの対象となる債権者全員の同意 | 債権者の多数決と裁判所の認可 |
| 官報への掲載(公告) | なし | なし | あり |
| 第三者機関や裁判所の関与 | 指定確認調査機関、裁判所 | 裁判所以外の第三者機関(事業再生ADRの場合) | 裁判所 |
早期事業再生手続は、従来の手続きが抱える課題を補うために設けられた新たな選択肢です。利用開始時の公告がなく、債権者の多数決と裁判所の認可で借入金の減額や返済猶予などを目指せます。
もっとも、早期事業再生手続があれば、私的整理や法的整理を利用する意味がなくなるわけではありません。制度の対象となる債務の種類が限定されているなど、早期事業再生手続にも注意点があります。
債権者とスムーズに合意できる見込みがあるか、借入金だけでなく買掛金も調整する必要があるかといった点を精査し、私的整理や法的整理も含めて状況に応じた最善の手続きを選択することが重要です。
早期事業再生手続には、従来の私的整理や民事再生とは異なる特徴があり、必ずしもメリットばかりではありません。早期事業再生手続の利用を検討するうえで知っておきたい主なメリットと注意点について、より詳しく解説していきます。
早期事業再生手続は、民事再生などの法的整理とは異なり、官報への公告などによって手続きの利用が広く公表されません。そのため、取引先や従業員などへの影響を抑えながら、事業の立て直しを目指しやすい点が特徴です。
ただし、指定確認調査機関や対象債権者に対し、手続きを利用するに至った経緯などの説明が求められます。そのため、完全に誰にも知られることなく手続きを進められるわけではありません。
また、手続きに際して、再建に向けた道筋などを説明する「早期事業再生計画」を作成することになります。計画の中に事業の縮小や事業所の廃止などに伴う従業員数の減少や賃金の減額を盛り込む場合、 労働組合や従業員の代表者への通知や協議などの対応が求められます。
私的整理では、対象となる金融機関のうち1社でも反対すると、債務の減額などが認められなくなる可能性があります。
早期事業再生手続では、原則として、対象債権者の多数決と裁判所の認可によって、反対する対象債権者にも権利変更の効力を及ぼせます。
ただし、対象債権者による決議が行われるまでに、指定確認調査機関への申請や、「早期事業再生計画」などの作成といった複数の手続きを経る必要があります。
早期事業再生手続は、借入金を自由に減額できる制度ではありません。減額を求めるに際して、債権者の利益も守られる必要があります。
借入金を減額して会社を再建するよりも、会社をたたんで残った財産を売却・分配した方が、債権者がより多く回収できる場合、減額の要望が認められない可能性があります。
また、対象債権者に債務の減免を求める場合、原則として役員の退任や、株主が保有する株式の全部・一部を失う措置なども計画に定めなければなりません。つまり、借入金の減額を目指すのであれば、経営者や株主も責任を問われる点を理解しておきましょう。

早期事業再生手続は、資金繰りに不安を抱えるすべての事業者が無条件で利用できるわけではありません。法律で定められた要件を満たす必要があり、その一つが「経済的に窮境に陥るおそれ」があることです。
簡単にいえば、事業を続けながら、期限が来た借入金などを返済することが難しくなるおそれがある状態です。すでに支払いが滞っている事業者だけでなく、今後の資金繰りや返済に不安がある事業者も、利用を検討できる場合があります。
経済産業省の資料では、「経済的に窮境に陥るおそれ」に該当するケースの一例として、次のような状況を挙げています。
特に、次のようなケースでは、早期事業再生手続の利用を検討できると考えられます。
ただし、これらはあくまでも一例です。早期事業再生手続の利用可否は、「経済的に窮境に陥るおそれ」があるか、対象債権者に求める債務の調整の内容に問題がないかといった点を、指定確認調査機関の調査などを通じて個別に判断されます。
早期事業再生手続では、会社が抱えるすべての借金や未払い金に対し、減額や返済猶予といった債務の調整が認められるわけではありません。債務の内容によっては手続きの対象外となります。
どのような債務を多く抱えているかによって、従来の私的整理や法的整理の利用も視野に入れる必要があります。そのため、早期事業再生手続の対象となる債務を確認しておきましょう。
早期事業再生手続で調整できる主な債務は、銀行や信用金庫などからの借入金です。そのほか、次のような債務も対象に含まれる場合があります。
ただし、上記に該当する債務でも、支払先や契約の内容、債務が生じた経緯・時期などによって、対象となるかどうかが異なるため、事前に確認することが重要です。
担保付きの借入金も、早期事業再生手続の対象となる場合があります。ただし、金融機関などが担保から優先して返済を受ける権利を守るため、担保権の実行によって回収できる部分は、減額や返済猶予などの調整の対象外です。
調整の対象となるのは、担保では回収できない部分(非保全部分)です。そのため、担保の評価額は、減額や返済猶予の対象となる範囲や、議決権の計算にも関係します。
また、経営者が会社の借入金を個人保証している場合、会社の借入金が減額されても、経営者の保証債務が自動的に同じように減るわけではありません。会社の再建とあわせて、「経営者保証に関するガイドライン」を活用するなど、保証債務への対応も検討する必要があります。
一般の仕入先への買掛金や外注先への未払代金、従業員の賃金、税金、社会保険料などは、本制度による減額や返済猶予の対象外です。また、経営者が会社に貸し付けているお金も、通常は対象になりません。
そのため、金融機関への返済負担を軽減できたとしても、これらの支払いを続けられるか、資金計画を立てておく必要があります。
取引先への未払いが多く、金融機関への借入金を調整するだけでは再建が難しい場合、取引先と個別に協議する、民事再生を進めるなど、別の方法も含めて検討することが重要です。
早期事業再生手続は、申請すれば直ちに債務が減額されるものではありません。
これらの段階を経て手続きが進みます。必要な準備を進められるよう、主な流れを把握しておきましょう。
早期事業再生手続を利用する際は、経済産業大臣が指定する第三者機関である指定確認調査機関に申請します。その際、債務をどのように調整したいかを示す書面や、借入先・借入額などの一覧表、決算書、資金繰り表などの書類を提出します。
指定確認調査機関は、借入金の減額や返済猶予などによる債務調整の必要性、調整対象となる債権者(対象債権者)の合意形成に関する見通し、債権者の利益を確保できる見込みなどを、提出書類から確認します。
このうち、債権者の利益を確保できる見込みについては、債務調整後に債権者が回収できる見込額が、事業をやめて残った財産を売却・分配した場合の回収見込額を下回らないことが求められます。
指定確認調査機関は、提出書類などの確認後、速やかにすべての対象債権者に対して、債権の回収などを一時停止するよう要請します。
ただし、この要請だけで、強制執行や担保権の実行が自動的に止まるわけではありません。早期事業再生手続を申請し、指定確認調査機関の確認を受けた事業者(以下、「確認事業者」と呼びます)や対象債権者は、進行している回収手続きの中止を裁判所に求めることができます。
一方、確認事業者も、一時停止を要請した旨の通知を受けた後は、すべての対象債権者が返済に同意した債務など、一部の例外を除き、調整の対象となる債務の返済が禁止されます。
返済の禁止に違反した場合、指定確認調査機関による確認が取り消され、手続きを進められなくなる可能性があるため注意が必要です。
債務の調整によって事業をどのように立て直し、今後の返済につなげるかを示す「早期事業再生計画」などの書類を作成して指定確認調査機関へ提出します。
早期事業再生計画には、主に次のような内容を記載します。
計画は、「借入金を減らせば再建できる」と説明するだけでは不十分です。どのように収益を改善し、変更後の条件で返済していくのかを、具体的な施策や数値で示すことが重要です。
なお、会社分割や事業の譲渡・縮小などに伴う従業員数の減少や賃金の減額を計画に盛り込む場合には、労働組合や従業員の代表者への通知や協議などが必要です。さらに、通知の内容や協議の結果を計画に記載し、協議が終わっていない場合は、協議を行う予定の時期(対象債権者による決議が見込まれる時期よりも前の時期に限る)を示します。
このほか、資産や負債の価値を経済産業省が定めた基準によって評価した結果に関する書面(資産評定書)や、借入金の減額や返済猶予など、対象債権者に求める変更内容などを記した「権利変更議案」も作成します。
早期事業再生計画や権利変更議案の提出には期限が定められています。場合によっては延長が認められるケースもありますが、原則として早期事業再生手続の利用を申請し、指定確認調査機関の確認を受けてから6か月以内です。
早期事業再生計画や権利変更議案を提出したら、変更後の条件で返済できる見込みがあるか、資産や負債の評価結果に問題がないか、債権者の利益が確保されているかといった点を、指定確認調査機関が調査します。
手続きの中で、対象債権者が集まる「対象債権者会議」と「対象債権者集会」が開かれます。
「対象債権者会議」は、原則として2回開催され、確認事業者が財務の状況や再生計画の内容、希望する債務の調整の内容などを対象債権者に説明したり、対象債権者からの質問に回答したりします。また、早期事業再生計画や権利変更議案に関する調査結果などを、指定確認調査機関が報告します。
その後、「対象債権者集会」が開催され、権利変更議案を受け入れるかどうかについて、多数決による決議が行われます。
可決には、原則として議決権総額の4分の3以上の同意が必要です。また、単一の議決権者が議決権総額の4分の3以上を有する場合、この金額による要件に加え、出席した議決権者の過半数の同意が求められます。
なお、担保付きの借入金のうち、担保で回収できる部分には議決権がないため、必ずしも借入金の残高だけで、可決に必要な賛成の割合が決まるわけではありません。
多数決によって権利変更議案が可決されても、借入金の減額や返済猶予などが自動的に認められるわけではなく、原則として裁判所の認可を受けなければなりません。そのため、確認事業者が裁判所に認可を申し立てたうえで、裁判所による審査を受けることとなります。
裁判所は、決議の内容などに問題がないかチェックしたうえで、認可するかどうかを決定します。必要に応じて、指定確認調査機関や債権者から意見聴取を行う場合もあります。
裁判所が認可を決定すると、その時点から権利変更に関する決議に効力が生じ、反対した対象債権者にも変更後の条件が適用されます。
なお、議決権を行使できる対象債権者全員が同意した場合には、裁判所の認可が不要となり、権利変更決議の時から効力が生じます。
効力が生じた後は、変更後の条件に従って返済し、計画した事業改善を進めます。また、少なくとも6か月に一度、対象債権者と指定確認調査機関に計画の実施状況を報告する必要があります。
つまり、対象債権者集会での可決や裁判所の認可が得られれば、すべてが解決するわけではありません。手続き後の着実な計画の実行と資金管理が重要です。
裁判所が下した認可・不認可の結果に納得できない場合、確認事業者や対象債権者は、即時抗告という不服申し立ての手続きを利用できます。
金融機関などと私的整理による協議を進めていたものの、合意に至らなかったようなケースでも、「経済的に窮境に陥るおそれ」に該当するなどの条件を満たしていれば、早期事業再生手続の利用が可能です。手続きの利用を申請する際は、指定確認調査機関へ提出する書類に、協議の概要など私的整理の経緯も記載しましょう。
また、私的整理のうち、事業再生ADRなどを利用していた場合、これまでに進めていた段階によっては、早期事業再生手続への移行後に「対象債権者会議」が省略されるケースがあります。ただし、指定確認調査機関による確認・調査や、対象債権者集会での決議などの手続きは必要なため、準備や対応が求められます。
早期事業再生手続を円滑に進めるためには、申請前から財務状況や借入契約などを整理しておくことが大切です。手続きを利用できるかどうかだけでなく、債務調整後に事業を継続できるかという視点からも、必要な準備を進めましょう。

まず、現在の資金繰りと今後の収入・支出を整理し、いつ、どの程度の資金が不足するおそれがあるかを把握しましょう。手続き中も仕入代金や賃金、税金などの支払いは続くため、借入金の返済だけでなく、事業を続けるための資金を確認することが重要です。
また、売上の回復や売掛金の入金が予定より遅れた場合も想定し、資金が足りるかを確認しましょう。一時的な資金不足なのか、事業を続けるほど赤字が増える状態なのかによって、必要な対応も異なります。

借入先や借入残高、返済条件、担保の内容、経営者の個人保証などを一覧にして整理しましょう。借入金だけでなく、社債やリースに関する支払い、信用保証協会などへの返済義務、会社が負っている保証債務なども確認します。
担保付きの借入金については、契約書や評価資料などを確認し、担保でどの程度回収できるかを整理する必要があります。担保の評価額は、調整できる範囲や債権者ごとの議決権にも影響するため、専門家と確認しながら検討しましょう。
また、会社の債務調整によって、経営者の個人保証が自動的に解消されるわけではありません。会社の再建とあわせて、経営者個人の保証債務への対応も検討しておくことが大切です。

債務の減額や返済期限の延長だけで、事業再生が実現するとは限りません。販売方法の改善、不採算事業の見直し、コスト削減など、収益を改善する具体策を検討しましょう。あわせて、その取り組みを実行するために追加の資金調達が必要かも確認します。
再生計画では、改善策をいつ、誰が実行し、どの程度の効果を見込むのかを具体化することが重要です。売上や費用の見通しを裏付ける資料を整理し、変更後の返済条件で事業を続けられる理由を、債権者に説明できるよう準備しましょう。

事業の立て直しにあたっては、取引条件の見直しや事業所の閉鎖、配置転換などが必要になることもあります。資金計画だけでなく、取引先との契約や従業員の雇用・労働条件にどのような影響があるかも確認しましょう。
従業員数の減少や賃金の減額を計画に盛り込む場合には、労働組合などへの通知や協議について、法令上必要な対応を確認する必要があります。ただし、再生計画に記載しただけで、解雇や賃金の減額が認められるわけではありません。
契約の変更や人員削減などについて、それぞれ必要な手続きや条件を別途検討することが重要です。
また、再建に関する情報が不正確に伝わると、取引の縮小や従業員の不安につながるおそれがあります。必要な説明を行いながら、誰に、いつ、どのように伝えるかを整理し、情報管理にも配慮しましょう。
早期事業再生手続は、私的整理や法的整理の課題をカバーし、事業の立て直しを目指すことができる新たな制度です。既存の手法では解決が困難な状況でも、早期事業再生手続の利用によって、再建の道が開けることが期待できます。
しかし、指定確認調査機関による確認・調査、早期事業再生計画などの作成・提出、対象債権者による決議などの手続きに対応しなければなりません。また、借入先や債務の内容、返済条件などによっては、早期事業再生手続ではなく、私的整理や法的整理のほうがスムーズな再建を目指せる可能性があるため、適切な手続きを選択することが重要です。
事業再生の手続きを検討する際は、ぜひ弁護士へご相談ください。事業再生に詳しい弁護士であれば、事業や債務の現状や今後の見通しなどを踏まえた最善策の提案や、必要書類の準備や債権者への説明といった手続きへのサポートが可能です。
弁護士法人プロテクトスタンスでは、業種も事業規模もさまざまな企業から、法律顧問を承っており、事業再生の手続きにも精通しております。対応の先延ばしが再建の失敗につながる事態とならないよう、ぜひお早めにご相談ください。