先日、がんで闘病中のタレントの堀ちえみさんのブログに、複数回にわたり「死ね、消えろ」などと書き込んだとして、北海道に住む50代の主婦が書類送検されました。
主婦は、今年1月から2月にかけて堀ちえみさんのブログに誹謗中傷を書き込み、脅迫した疑いが持たれており、任意の事情聴取に対して、容疑を認めているということです。
インターネットでの匿名性をいいことに、特定の個人を執拗に攻撃する悪質な投稿者に対して、これまでは泣き寝入りする被害者が多かったのですが、近年、投稿者を特定し、法的措置を検討する事案が増えてきているように感じます。
2017年、俳優の西田敏行さんが違法薬物を使用しているという虚偽の内容の中傷記事をネットで拡散した容疑(偽計業務妨害罪)で、男女3人が書類送検されています。
2018年には、横浜DeNAベイスターズの井納翔一投手が、インターネットの掲示板に「嫁がブス」と書き込んだ相手を特定し、名誉棄損による損害賠償の訴えを起こし、ニュースになりました。
インターネット上で悪質な誹謗中傷による名誉毀損やプライバシーの侵害などが行われた場合、「プロバイダ責任制限法」という法律にもとづいて、被害者はプロバイダに対して削除依頼をすることができます(送信防止措置請求)。
また、行った投稿者を特定することができれば、法的措置を講じることもできます。投稿者を特定するためには、プロバイダに対して、投稿者(発信者)の氏名・住所・メールアドレス・IPアドレスなどの情報の開示を求めることができます(発信者情報開示請求)。これにより、発信者が特定できれば、民事上の差止請求や損害賠償請求を行ったり、刑事上の責任追及を行うこともできます。
インターネットの掲示板やSNSへの書き込みは、匿名で誰にもわからないからと、他人を傷つける情報を発信してよいということにはなりません。悪質な書き込みは被害者を傷付け、法的責任を問われるということを忘れず、節度を持って利用したいものです。
誹謗中傷や、事実と異なる書き込みなどでお困りの際は、弊事務所へご相談ください。
法律の専門家である弁護士が損害賠償の請求や名誉の回復など全力でサポートいたします。