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関東は暖かくなってきました。これからお花見や外出が増え、道では桜の花びらとともに落とし物に遭遇することも!
財布や現金が落ちているのを見つけた時、一度は頭をよぎったことがある方もいるかもしれない、「自分のものにしてバレなければ・・・!?」
今回はあなたが罪を犯した立場で進めていきます。
誰かのものを黙って自分のものにする、いわゆるネコババですが、これは罪になるのでしょうか?
「ネコババ罪」という犯罪はありませんが、今回の場合のネコババにあたる罪としては、遺失物横領罪(刑法254条)または窃盗罪(刑法235条)が考えられます。そして、どちらの場合も最悪、懲役を科される可能性があります。
窃盗罪は遺失物横領罪に比べ刑が重くなっていますが、両罪は、落とし物について持ち主の占有があるといえるか否かで区別されます。判例としては以下のようなものがあります。
公園のベンチに荷物を置き忘れたまま、持ち主が公園から出ていったのを見てネコババした場合、まだ持ち主の占有を離れていないとして窃盗罪となった事例があります。
遺失物横領罪では、例えばデパートの6階に落ちていた財布をネコババして、持ち主が地下1階まで行っていたときは、持ち主の占有を離れたとして同罪があたるとしています。
このように、一口にネコババといっても、これが窃盗罪にあたるか遺失物横領罪にあたるかはケースバイケースです。
もっと刑が重くなるネコババもあります。詐欺罪(刑法246条)です。
上の2つの犯罪の場合、罰金刑で済む場合がありますが、詐欺罪の場合懲役しかありません。
例えば、あなたがコンビニでコーヒーを買った際、店員が余分にお釣りをくれたとき、お釣りが多いと気づいたにもかかわらず、店員に告げないでそのまま受け取った場合、法的には詐欺罪が成立してしまいます。あなたにはお釣りが多いことを店員に告げる義務があり、これを告げないことによって店員を欺いたと考えられるのです。これはかなり身近で起こりうるネコババといって良いでしょう。
たかがネコババ、されどネコババ。落とし物は、持ち主のことを考えて警察に届けましょう。
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