セクシュアルハラスメントをしてはいけない、ということは多くの人が理解していることと思います。では、具体的にどのような言動がセクハラとなるのでしょうか。無意識のうちに身近な人を傷つけてしまうことのないよう、改めてセクハラについて考えてみたいと思います。
・相手を不快にさせる性的な言動
・基本的には受け手がその言動を不快に感じた場合にはセクハラとなる
・異性間だけでなく、同性に対するものも含まれる
セクハラというと、一般的に男性から女性に対して行われるものを想像される方も多いかと思います。ですがセクハラは、女性から男性、同性同士でも起こり得ることなのです。
・「スリーサイズは?」など身体的特徴の話題
・体調が悪そうな女性に対して「生理?」、「もう更年期?」などの発言
・性経験や性生活についての質問
・性的な噂、からかい
・「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」などの発言
・「男の子、女の子」、「おじさん、おばさん」などの人格を認めないような呼び方
・性的指向や性自認をからかいやいじめの対象とすること
・食事やデートにしつこく誘う
・身体に不必要に接触する
・性的な関係を強要する
・性的な内容の電話をかけたり、手紙・メールを送る
・女性であるというだけでお茶くみ、掃除等を強要
・宴席でのお酌や、カラオケでデュエットを強要
たとえば、男性上司が「若い女の子に入れてもらったお茶はおいしいな」と発言したとします。これは、上司の性別役割分担意識に基づく言動と考えられ、言われた女性労働者や周囲の人たちが不快と感じれば、セクハラに該当する可能性があります。
また、独身男性に対して、男性の同僚が「どうして結婚しないの?」としつこく聞くことは、性的な冗談やからかいなどで就業環境が害されることにつながり、セクハラとなります。
性に関する言動に対する受け止め方には個人間で差があり、セクハラに当たるか否かについては、
相手の判断が重要です。
・親しさを表すつもりの言動であっても、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまう場合がある
・不快に感じるかどうかは個人差がある
・この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしない
・相手との良好な人間関係ができているという勝手な思い込みをしない
相手が拒否、または嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと、
セクハラであるかどうかについて、セクハラを受けた者が職場の人間関係等を考え、拒否することができない場合もあるため、相手からいつも意思表示があるとは限らないことも忘れてはいけません。
また、場所が職場外でも、職場の人間関係がそのまま持続する歓迎会の酒席のような場で、セクハラは起こる可能性がありますので、注意が必要です。
セクハラは、被害者への影響はもちろん、加害者への法的責任や、職場環境を悪化させる、あってはならないことです。
個々人が、各自の言動に注意し、職場全員が気持ち良く働けるよう、配慮したいものです。
セクハラばかりでなくパワハラなど各種ハラスメントは、退職をきっかけに労働問題として表に出ることが多いものです。労働問題でお悩みのことがございましたら、弊事務所までお気軽にお問い合わせください。
法律の専門家である弁護士が、親身にサポートさせていただきます。