こんにちは。行政書士の清水雄大です。
弊事務所コラムでも既に数回取り上げている東京都渋谷区の「同性パートナーシップ条例」(2月13日付、4月24日付、6月5日付)に続いて、世田谷区においても、同性カップルのパートナーシップの宣誓制度が導入されることになったと報道されています(東京新聞「同性カップル 世田谷も「公認」 区が公的書類発行へ」(2015年7月29日付)ほか)。
自らも性同一性障害を公表しセクシュアルマイノリティの権利擁護に取り組んでおられる世田谷区議会議員の上川あやさんが、今回の宣誓制度の要綱をツイッター上で公開していますので、以下に引用します。
本日、議会に報告された「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」(文章部分)を公開します。全体資料は〈区政情報センター〉 http://t.co/6AD0J3BIgA で閲覧、コピーが可能。どうぞご利用ください。 pic.twitter.com/D7P7RTsKEG
— 上川あや 世田谷区議会議員 (@KamikawaAya) 2015, 7月 29
各種報道と上記要綱を併せ読んだ限りでは、今回の世田谷区の「パートナーシップ宣誓」制度は、何ら法的な効果が付随しない制度のようです。
もちろん、同性パートナーシップの公認という象徴的な効果は否定し得ず、また、先日公的書類を有する同性カップルに家族割引を適用すると発表したKDDIやNTTドコモのような会社(毎日新聞「ドコモ:同性カップルに家族割引 KDDIも正式発表」(2015年7月21日付))ほか)に対しては、今回の宣誓制度を使った同性カップルもその対象になってくることが予想され、その限度では一定の事実上の効果はあるでしょう。
しかしながら、法律上、異性間のカップルに比して著しい不利益を生じているという現状を鑑みれば、このような事実上の宣誓を受け付けるだけでは、政治の役割を果たしているとは評価できないように思われます。今後、具体的な法的効果を付与するような方向性をもって、セクシュアルマイノリティの法的保障が進んでいくことを期待するばかりです。