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弁護士法人プロテクトスタンスTOP法律コラム最高裁判所は夫婦別姓を認めず

最高裁判所は夫婦別姓を認めず

LGBT・ジェンダー

皆さま、こんにちは。
年末年始は親族が集まることも多く、何かと家族について考える機会も多かったのではないでしょうか。
 
今回は夫婦別姓について考えてみたいと思います。
 
民法750条には「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する。」と定められています。
現在の民法のもとでは、結婚に際して、男性または女性のいずれか一方が、必ず氏を改めなければなりません。
そして現実には、男性の氏を選び、女性が氏を改めることが圧倒的多数です。
ところが女性の社会進出に伴い、改氏による社会的な不便、不利益が指摘されてきたことを背景として、選択的夫婦別氏制度の導入を求める意見が挙がっています。
 
2011年2月14日に富山県の原告らが、夫婦同姓を定める民法750条が法の下の平等を保障した憲法14条等に違反しているにもかかわらず、民法を改正しないことにつき、国会が何ら正当な理由なく長期にわたって立法措置を怠っていることは明らかであるとして、国家賠償法にもとづく損害賠償を請求していました。
 
昨年12月16日に最高裁判所大法廷(寺田逸郎裁判長)は、多数意見において、民法750条について、婚姻の際の「氏の変更を強制されない自由」は憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるとはいえず、憲法13条に違反するものではない、夫婦同氏制それ自体に男女間の形式的な不平等が存在するわけではなく、憲法14条1項に違反するものではない、個人の尊厳と両性の本質的平等という憲法24条の要請に照らして夫婦同氏制が合理性を欠くとは認められないとして、民法750条は合憲であると判断しました。
もっとも少数意見として岡部裁判官は「96%もの妻が夫の氏を称することから、夫婦別氏に例外を設けないことは、多くの場合妻となった者のみが個人の尊厳の基礎である個人識別機能を損ねられ、また、自己喪失感といった負担を負うこととなり、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえない」と述べています。
 
夫婦別姓を支持する主張としては、夫婦同姓の現行制度では
①夫婦の一方が姓を変更するのは多くの手続きが必要であり仕事上の連続性もなくなること
②結婚で一方の家名が失われてしまうこと③姓を変えることで自己のアイデンティティが失われてしまうことを挙げています。
 
夫婦別姓に反対する主張の主なものは、夫婦別姓では家族の一体感が失われるというものです。
 
皆様はどうお考えでしょうか。
 
現代において、夫婦や家族のありかたは大きな変容を見せています。
婚外子法定相続分や再婚禁止期間などにつき画期的な判決が出された昨今において、今後も夫婦別姓に対する動きが注目されます。
 
弊事務所では相続などの問題をはじめとして、さまざまな家族問題につきご相談を承っております。
どうぞお気軽にご相談ください。

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弁護士法人プロテクトスタンス 代表弁護士 五十部 紀英