皆さま、こんにちは。
行政書士の清水雄大です。
東京都渋谷区が、区内に住む20歳以上の同性カップルについて「結婚に相当する関係」であるとの証明書を発行することができる条例案を提出するようです。順調にいけば、2015年度中には証明書の発行が開始される模様です。
欧米を中心とする海外での同性婚などの同性間パートナーシップ保障の動きと対照的に、日本では、同性どうしのカップルのパートナー関係を保障するための法的な制度は存在しませんでした。この条例が可決成立することになれば、日本初の法的な制度となる見込みです。LGBT(レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー)などのセクシュアルマイノリティ(性的少数者)の権利擁護という観点からは、歓迎すべき動きであることは間違いありません。
とはいえ、条例の案文もまだ公表されていないため詳細は不明ですが、手放しで喜べる内容とはなっていないようです。条例の趣旨に反して不利益な扱いを行った事業者名を公表といった対応を行うことが予定されているようですので、住宅の賃貸や医療機関での対応等の場面で事実上の一定の効果は期待できるとは思われますが、基本的には、あくまでも同性カップルが結婚に相当する関係であることが証明されるだけで、具体的な法的効果を生じさせるものではないようです。
パートナーに万が一のことがあった場合の相続の対策は、依然として「遺言」に委ねられることになりますし、扶養や財産分与等の財産関係について、別途「パートナーシップ契約」を締結するなど、自衛の必要性があることには変わりない状況です。
弊事務所には、セクシュアルマイノリティの権利擁護に詳しい専門家が在籍しており、同性カップルのパートナーシップ保障も含め引き続き法的なサポートを提供していきますので、お困りごとがありましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。