皆さま、
今回は社会問題になっている認知症、相続、遺言のことについて書かせていただこうかと思います。
1 認知症とは
認知症と一言に言っても以下の4種類があるそうです。
・アルツハイマー型認知症
・脳血管型認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症
この中で過半数を占めるのが、アルツハイマー型認知症です。認知症になると、記憶障害等の中核症状や暴力、妄想、徘徊等の周辺症状が表れます。認知症か否かは長谷川式簡易知能評価スケールで判定されます。長谷川式簡易知能評価スケールとは、日付、年齢、野菜の名前、簡単な計算等ごく簡単な質問をして、点数化することにより評価をする仕組みです。
もし認知症の方が相続人になった場合、財産を保有していて遺言を残したい場合、認知症の方が兄弟に囲われてしまっている場合など、問題となりがちなケースごとに簡単にご説明を加えます。
2 認知症と相続
認知症の方が相続人になった場合はどうしたらいいでしょうか。まず、認知症の方を無視した遺産分割協議は無効です。
では、どうすればよいのでしょう。認知症の方の意思能力の度合いによって成年後見人、保佐人、補助人を付けることになります。成年後見人は事理弁識能力を常に欠いている場合(長谷川式13点以下(目安))、保佐人は判断能力が著しく不十分な場合(長谷川式11~18点)、補助人は判断能力が不十分な場合(18~22点)に裁判所の決定を受けて付けることができます。成年後見人等のサポートを受けることにより、遺産分割協議をすることができるようになります。
3 認知症と遺言
認知症の方は遺言をできるでしょうか。まず、被保佐人、被補助人の方は一人で有効な遺言を作成することができます。
成年被後見人の方は、一人ではできず、①意思能力が回復しているときに②医師二人以上の立会の下、作成することができます。裁判所の決定を受ける前で成年被後見人等でなくとも、後見相当でしたら、後々遺言の有効性を争われる可能性があるので注意が必要です。
4 相続争いと認知症
相続の対立等で認知症と疑われる方を他の兄弟等に会わせない、財産を使い込んでいる可能性があるといった場合、成年後見等の申立をすることが効果的です。このようにすることにより、財産の管理権限を本人やその家族から裁判所を含めた後見人等に移すことが可能となります。
以上に述べた以外にもいろいろと認知症にまつわる法律問題は多く存在すると思います。
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