タレントの松居一代さんと俳優の船越英一郎さんとの離婚騒動が報道され、世間の注目を集めています。その中で、船越さんが申し立てたとされる「離婚調停」について今回は取り上げてみたいと思います。
「離婚調停」とは、家庭裁判所にて、調停委員が立ち会いの上、離婚について当事者同士で話し合う手続です。
当事者は、調停期日に家庭裁判所に行き、指定された個室(調停室)内で調停委員を交えて話し合うことになります。調停委員とは、裁判所により選任された民間人です。調停委員は、通常、男女各1名の2名で構成されます。
当事者の希望により、当事者同士が顔を合わせたくない場合、申立ての際にその旨を申し出ることによって配慮が受けられます。
具体的には、当事者が1名ずつ交互に個室に入室して、それぞれ調停委員に対して言い分を述べることができます(新潟家庭裁判所のホームページにこのような調停のイメージ写真が掲載されています)。待合室も申し立てた当事者と申し立てられた当事者で別々の待合室が用意されており、片方が調停室に入っている間は、一方は待合室で待機します。多くの離婚調停でこのような交互面接方式が採用され、仲が険悪となった夫婦同士が顔を合わせなくて済むように配慮されています。
1回の調停に要する時間は2時間から3時間です。調停期日の回数に決まりはなく、2、3回の期日で済む場合もあれば、10回以上続くケースもあり、1か月に1回くらいのペースで開催されます。調停による話し合いで最終的な合意に達した場合には、判決と同様の効力を持つ調停調書が作成されます。合意ができなかった場合は、期間を置いて再度調停を申し立てるか又は離婚裁判を提起することが考えられます。
離婚調停は当事者本人が申し立てることもできますが、調停期日に相手も裁判所に来ることや、調停委員の前で離婚を希望している経緯を説明しなければならないなど、精神的負担が大きい手続といえます。また、離婚調停で問題となるのは、離婚をするか否か(離婚原因があるか否か)という点にとどまらず、財産分与や慰謝料、子どもの親権者、婚姻費用(生活費)や離婚後の養育費の問題など多岐にわたります。こちらの言い分をよりよく理解してもらうためには、主張書面や証拠を提出して、調停委員に対し、法的な裏付けのある合理的な主張を展開する必要があります。
弁護士にご依頼されれば、弁護士が調停期日に同行することで精神的負担を軽減することができますし、ご本人の主張に不十分な点があれば即座に補足したり、必要に応じて書面や証拠を提出するなど、有利な調停進行に努めることができます。さらに、調停段階から弁護士がつくことにより、調停での話し合いが成立せずに裁判に移行した場合にも、調停の経緯を踏まえた主張立証を行うことが可能となり、無駄のない訴訟追行を見込むことができます。
離婚調停をお考えの方は、お一人で悩まず、お気軽に弊事務所までご相談いただければと思います。