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マンションの傾斜と宅建業法上の責任

不動産

皆さま、はじめまして。
 
弁護士の堀向良介でございます。
昨年12月に司法修習を終了し、本年1月から弊事務所にて執務しております。
少しでも皆様のお力になれますよう日々研鑽を怠らず精進してまいりますので、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
 
さて、初めてのコラム執筆になりますが、今回はタイトルにもありますように、マンション傾斜と宅建業法(正式名称は宅地建物取引業法といいます。)上の責任についてお話ししたいと思います。
 
昨年10月、横浜市都筑区のマンション「パークシティLaLa横浜」が傾いているというニュースが報道され、同マンションの販売元である三井不動産レジデンシャルの法的責任が問題となりました。仮に、皆さまが購入したマンションが傾いていたとしたら、そのマンションを販売した業者にはどのような法的責任が生じるのでしょうか。
 
宅建業者(免許を受けて宅地建物取引業を営む者のことをいいます。)の業務に関する禁止事項を定めた宅建業法47条1号は、宅建業者が、建物の売買契約を締結しようとする際、購入予定者に対し、建物の所在、規模、形質等に関する事項で、購入予定者の判断に重要な影響を及ぼすものについて、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げてはならない旨を規定しています。
建物を支える杭の打ち込みが十分ではなく、将来マンションが傾く可能性があるということを知らされていれば、通常はマンションを購入するという判断にはなり得ません。そうすると、杭の打ち込みが十分ではないという事実が、購入予定者の「判断に重要な影響を及ぼすもの」であることは明らかであり、販売業者が、故意にこの事実を告げず、又は事実と反することを告げていたのだとすれば、宅建業法違反になると考えられます。
この場合、宅建業法に違反した販売業者は、1年以内の業務停止命令を受ける可能性があり(宅建業法65条2項2号)、さらに、違反の程度が悪質な場合や業務停止命令に違反した場合には、免許が取り消されることになります(宅建業法66条1項9号)。
 
また、宅建業法40条1項は、宅建業者が売主となる場合には、民法が定める売主の瑕疵(かし)担保責任について、買主が契約の解除又は損害賠償を請求することができる期間を目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、買主に不利となる特約をしてはならない旨を規定し、同2項でこれに反する特約は無効であると規定しています。ですから、販売業者の売主としての瑕疵担保責任を追及するためには、一般的にマンションの引渡しを受けてから2年以内に行わなければなりません。
 
マンションの傾斜問題に限らず、購入したマンションに何らかの瑕疵や欠陥を発見した際には、素早い対応が求められます。弊事務所では、マンション購入に関するトラブルだけでなく、土地を含めた不動産取引全般に起こり得るトラブルについて多くの案件を取り扱っています。
どうぞお気軽にご相談ください。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
弁護士 堀向良介

この法律コラムは
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弁護士法人プロテクトスタンス 代表弁護士 五十部 紀英